自然派住宅

通気工法や透湿防水シートについて

設計コラム

2020.12.09

通気工法や透湿防水シートについて

こんにちは! 設計の小川です。

 

 


前回お話しました、通気工法について少し触れたいと思います。分かりやすい、図がありましたので、ご紹介いたします。

 

 

   『出典:旭デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社』

 

 「住宅事故で最も多い壁の漏水。しかし、タイベック® ハウスラップを採用した通気層構法が広まったため、その数は減少したと言われております。通気層構法は、万一の外装仕上げ材等からの雨水浸入に対しても、適切に排水することにより、壁の防水性を高めた構法のひとつです。また、壁体内からの湿気はタイベック® ハウスラップを通り抜けた後、効果的に排出されるため、有効な壁体内結露対策とされています。」『旭デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のHPより抜粋』
「デュポン™、およびタイベック®は、米国デュポン社の商標または登録商標です

 

 一昔前と言っても何十年も前ではありませんが、通気工法は標準ではありませんでした。柱に外壁を貼っていました。古い住宅では、透湿防水シートすら張っていなかった頃もあるんですよ。今では、考えられませんが、その当時では世間的に普通だった様です。私の記憶では、15年位前でも、通気工法は普通な事ではありませんでした。住宅金融公庫(フラット35)を利用した時は、必要条件でしたので通気工法になっていました。
 現在では、2009年に瑕疵保険制度が始まり、窯業・金属サイディングでは、外壁の通気工法にする事で保証が出る事になっています。サイディングでは、外壁の継ぎ目のコーキング(外壁の継目やサッシ廻りにある、ゴムの様なものです)が、どうしても劣化する為、ミイラの様に痩せて細くなっていたり、切れてしまったお家を見かけます。通気工法だと雨が入っても下に排出される仕組みですが、そうで無い時はどこに流れているの?と、思ってしまいます。


 このコーキング異常を発見したら、建築会社に連絡して下さい。もしくは、専門のプロに頼んでください。ホームセンターでも、コーキング材は販売していますが、プライマーや事前の処理が必要なので、実は簡単ではありません。施工は出来ますが、後々違いが出てきます。室内と違い屋外は、太陽の紫外線があり悪条件なので、それなりの施工が必要なのです。やはり、プロ職人ですね。

又、脱線してしまいましたが、お家を造る方は、通気工法になるので問題は無いですが、施工方法がポイントでしたね。塗り壁外壁の時は、例外もあるようです。正解は、各会社や素材のメーカーさんの見解もありますので、聞いてみるとよいでしょう。

 

 これから、お見せする写真はとても不安にさせてしまう画像になるかもしれませんので、お家を検討している方で、悩みたくない人はここでSTOP。自然派住宅で考えている方は、大丈夫ですよ!!安心して下さい。

この下にある写真は、前回に私が研修に行った時に、屋外の暴露試験を行っていた写真です。

 

 

こちらは、他社の製品

 

 

 

 

 

 

こちらは、デュポンのタイベック®ハウスラップ製品

 

 

 

 

☝こちらの写真は、何か汚らしいですね。見て頂きたいのは、破れてしまっていますが、表面や端部の違いです。

 

 

 比較しているのはどこの製品?これについては、明かす事は出来ませんので、ご理解ください。正直な話、私自身もここまでの差が出るとは思っていませんでした。やはり、0.何㎜の厚さもあって、紫外線には弱いんですよね。【施工から〇ヵ月以内に外壁を施工して下さい】と基準もあるので、もし長く放置されている場面があったら、建築会社さんに、問い合わせしてみる事をお勧めします。私自身、雨に濡れないように、資材にカバーをしても、数ヶ月するとボロボロ剥がれるような、場面も体験していたので、劣化自体には驚きはしませんでした。
 しかしながら、タイベック®ハウスラップ品が、ここまでボロボロにならないない事が、驚きでした。この違いの一つに、製品の工程の違いがあるそうです。これについては、次回にでも触れたいと思います。

 屋外の試験なので、住宅の様な完全再現は出来ていないと思いますが、実際にここまで劣化していたとしたら、非常に問題があります。万が一雨が浸入してきたら、防水能力はほぼ無いに等しいでしょう。

 

 当社では、仕上がってしまうと見えない部位だからこそ、こだわります。御施主様には、良い物を使うのは、当たり前だろ。と言われる事もありますが、詳しい事は言えませんが、深い闇があると思ってください。タイベック®ハウスラップは、比較すると高価な商材になります。お家の見積りで、差額〇万です、高いなー!と思われますが、ローンの返済35年、もしくは、その家で住む年数で考えて下さい。 (当社では、標準なので追加予算は不要ですよ)


 新築を計画しているその時も大事ですが、将来でも考えてみて下さい。年数が経つと、外壁の塗装や張替をする事になります。でも、その中にある、シートを交換する事はかなり稀だと思います。一部の外壁を剥がした時に、劣化してればそこだけの交換だと思います。是非、長持ちする製品をお使い頂いて、お家の基本スペックをUPさせましょう。当社では、ご紹介している、【タイベック®ハウスラップ】を採用しています。少しでも安心して住んで頂きたいからです。打ち合わせで、お家の内観や外観も重要で、耐震や性能も注目されています。今では制震も話題になっています。自然派住宅では、下地材で見えなくなってしまうが、とてもお家を守ってくれているシート!そんな所まで、こだわっているんだ!と、心のどこかに留めて頂けたら幸いです。

 長持ちする製品はこの他にもあります。例えば、屋根の下葺材もまだ標準化していませんが、より良い商材もご用意できています。自信をもってご提案出来ますので、後々紹介したいと思います。

 

 今回も、長々と私の下手なお話にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

 

お家を雨から守る、大事な【透湿防水シート】

設計コラム

2020.12.02

お家を雨から守る、大事な【透湿防水シート】

こんにちは!設計の小川です。


今回は、研修に行ってきたお話です。

 

 

 

 

 私、先月の13日に、宇都宮にあるデュポン様の宇都宮事業所の技術サービスセンターで、研修を受けてきました。正式には、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社と言いまして、建築業界では【タイベック】で知られています。レーヨンやセロファンを開発した会社で、日常生活では、どこかで必ず使用している程、メジャーな会社です。
 当社では、透湿防水シートは、ここの会社の製品を採用しています。

 


 

 

 この写真は、外壁施工前の状態です。縦に木がありますが、これが胴縁と呼ばれるものです。この木の厚みを利用して、空気が流れていきます。これが、通気工法と呼ばれる仕組みです。万が一、雨水が外壁の中に入っても下から排出されます。これも、そのうちご紹介していきますので、楽しみにして下さい。この写真を見ると、壁の全体が、白い紙で覆われていますね。これが、【透湿防水シート】です。

 ここが、非常に大事なポイントです!!是非、覚えていってください。
何が重要なのか? 、、、この白いシートの裏側は、家の中になります。シートをめくると断熱材が見えてきます。という事は、シートを突破し雨水が浸入する事で、雨漏りの原因の一つになります。 

 ここで、疑問に感じた方は鋭いです!ホントに雨が流れても大丈夫なの?と疑問になりますよね、、、それが、大丈夫なんですよ!!

え、何で、こんな紙みたいなのが、水を通さないのか?それは、水分子構造と表面張力が関係しているらしいです。科学的な話になりますので、私も詳しくありませんので、調べてみたいと思います。

 

 

 この白いシートは大変優れた商品です。どの住宅会社も、この白いシートを張っている所が多いです。稀に、銀色のシートを見かけた人はいますでしょうか?上の写真がそうですね。これは、同じシートでも、遮熱機能を備えているので、より優れた商品です。これも、どこかで紹介していきますので、楽しみにして下さい。

 良い話ばかりしていますが、施工が悪いと性能は発揮できません。ここが、とても重要です。
どんなに、良い製品を使用しても施工が悪いと、意味がありません。穴が開いている様なものです。
このシートの施工は、慣れた職人さんでも出来ていない事があります。聞いた所、コツがあるそうです。中には、「貼ってあれば良いんだ。いつもこんなもんだ。」こんな事を言って施工したお家は、危険かもしれません。お家は、外壁で守られていますが、年数が経ち、コーキングが劣化してくると、雨水が入ってくる事があります。それから守るのが、この白いシートなのです。これが最終防衛ラインだと思ってください。ここを突破されると、黒カビが生えたり、雨が入ってきて柱が濡れてしまう為、腐ってしまい、白蟻が発生する事もあります。

 

 怖い話ばかりしてしましたが、当社では、第三者機関による検査を実施しているので、心配ありません。他社でも検査している所は増えているので、気になったら聞いてみて下さい。

 当社では、見えない部位にも気を配って施工していますが、今回のお話の件は、仕上がると見えなくなるので話には出て来ることがありません。当然、質問もありません。陰で支える黒子のような感じでしょうか?とても重要です。
 職人さんと協力しながら、完璧な施工をし、素晴らしいお家造りを目指しています。是非、多くの御客様とお付き合いさせて頂きたいと願っております。