自然派住宅

設計コラム
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2021.03.31

part2 導入するかもしれないお話です。

 

こんにちは!設計の小川です。

part2の導入するかもしれないお話は、【建物長期保証】です。!

 

 

 

 前回のコラムには、続きがありまして、もう一つ検討している保証があります。

今現在の日本では、住まうお家を建築するには[瑕疵担保保険]に加入しなければいけません。

2000年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、建築会社は住宅を引渡してから10年間、瑕疵担保責任という義務が始まりました。これは、住まい側が確認してもわからない欠陥が住宅に発生した時に、住宅を供給する事業者側がその責任を負う仕組みです。
 しかしながら、この制度が始まっても、事業者に資金力がなければその責任を果たせなかったり、悪徳会社による修繕を繰り返して10年経過するのを待ったり、責任転嫁して対応しない会社も多くあったそうです。当時は、建設ブーム到来もあり、何でも有りな状況でもあったと思います。住宅業界には、不透明さがありまして、建設業の許可には、知識や経験、実績の審査は無く、申請者が資格を得ているかの判断になっています。分かりやすく言うと、書類上の審査だけをした資格者がいれば、他の従業員は素人でも、お家の工事の許可が出るのです。、、、怖いですよね、たまにTVで見る雨漏りで困っている家主と、他から来た1級建築士さんと、工事した建築会社が協議をしている場面。私が見た話では、家主が泣き寝入りというか、話にならんからもういい!と呆れていました。

 世間的には、リフォーム会社や住宅会社、専門業者でも許可の内容次第で工事の規模や額面が違います。建設業の許可が無くても、500万迄の工事は請け負う事が出来る為、届け出をしていない会社でも工事が出来ます。

 

 記憶が薄れていると思いますが、2005年に耐震偽装事件(姉歯事件)が発生し、請け負った企業が倒産してしまい、補修費用が自己負担となり、住まい手が泣き寝入りとなる事態が発生しました。この当時は大きな社会問題となりました。

 このような状況を起こさせない為に、2009年に瑕疵担保履行法が施行され、この法律により、建築会社は瑕疵担保責任を果たすための資力確保をしなければならなくなりました。簡単に説明すると、倒産しても良いように住まい手側に保険を掛けなさい、という事です。しかしながら、構造部分と雨漏りに関する事象のみなので、それ以外の不具合が発生した時は、建築会社が倒産しては保証は受けられないので、長く健在する建築会社が優良企業と思っています。誠意が無い会社は別ですよ。

 

「じゃあ、安心じゃないか。」

ちょっと待って下さい。安心するのは少し早いです。この瑕疵担保保険は10年の保険期間の為、何もしなければ満了となります。それを、延長するには、10年~15年以内に点検+メンテナンス工事をして、保険に加入する必要があります。しかしながら、10年位で足場を架けて、シーリング打ち直しや、クラック補修等するのは結構な額の修繕費用が必要となりますが、じゃあお願いします。と言う人は少ないです。私の自宅も、13年位経過しているので、ALC版の割れや、シーリング痩せ、塗装の劣化が起きていますが、いつメンテナンスするか、悩み中です。

 

 話は長くなりましたが、建物の瑕疵担保保証期間が終了して~20年目迄を保証しようという【建物長期保証】制度です。2021年となり建築資材の性能UP、検査体制の厳格化、不具合発生事例の共有等もあり、建物の性能が上がっている事により可能となっています。これには、修繕が必要では無いので、御客様に安心して頂けると思います。勿論、点検して雨漏りしていたり、これから発生する可能性が大いに有るのでは、修繕して欲しいと願います。当然保証ですので、雨漏りしても保険金が出るのですが、大掛かりな工事に発展する事も考えると、精神的にも負担が生じてしまいますので。

 

この動画を見て頂けると、わかりやすいです。

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 人それぞれ、見解が違うと思います。私自身も本来なら、修繕して長く性能を保たせないといけない。と思っています。しかしながら、住宅ローンが始まり、子供が大きくなり高校・大学と出費が大きくなり、その頃には設備機器が故障した、車の買い替え...等で、修繕費を確保しておく事が難しい人もいると思います。それに、修繕して何で支払うの?と思われる方もいるのではないでしょうか? 引き渡しから10年を過ぎてから不安な気持ちで過ごしたくはありません。実際の所、雨漏りや傾いた時に遭遇しないと、実感しないと思います。まさか?の時の備えが必要だと思います。

 あくまで、導入するかもしれないお話なのですが、設計側からすると切にお願いして、これから建てられる御客様に安心を提供していきたいと考えています。